複数のお墓を管理する女性たち。墓じまいのご相談から見えてくる「少子化社会」のリアル
「実は今、主人方のお墓だけでなく、叔父叔母のお墓、そして私の実家のお墓と、あわせて三か所のお墓を一人で管理しているんです……」
墓じまいや改葬(お骨のお引越し)のご相談をお受けしていると、単なるお墓の老朽化や引越しといった個人的な事情にとどまらず、現代日本が直面している深刻な社会的課題に直面することが少なくありません。
特に近年、圧倒的に増えているのが、女性(奥様や長女様)からの切実なご相談です。
今回は、15年間の石材店現場経験(営業・施工監督)を経て、現在は行政書士として数々の墓じまい・改葬をサポートしている私の目線から、お墓を複数背負わざるを得なくなった背景と、少子化・多死社会がもたらす現実、そしてその解決に向けた歩みについてお話しします。
1. 「お墓を三か所守る」——女性たちに集中するお墓の負担
ご相談に来られる女性たちの背景を詳しく伺うと、決して特別なご家庭の話ではないことが分かります。
- ご自身の実家のお墓(自分は嫁いだが、一人娘または姉妹だけで跡継ぎがいない)
- ご主人様の実家のお墓(長男の妻として管理を任されている)
- 身寄りのない叔父や叔母のお墓(子供がいない叔父叔母のお世話を最後まで見た流れで、お墓の管理も引き継いだ)
「子供がいない」「兄弟がおらず一人娘」「姉妹全員がすでに別の家に嫁いでいる」といった少子化や家族形態の変化により、かつては複数の親族で分散して守っていたはずのお墓が、巡り巡って一人の女性のもとに集約してしまうという現象が起きています。
ご相談者様は口をそろえて、「自分の大切な実家やお世話になった叔父叔母のお墓だからこそ、適当に放置したり、いい加減な扱いにするわけにはいかない」とおっしゃいます。
ご先祖様への強い責任感と深い愛情があるからこそ、一人で3つものお墓の管理費用や草むしり、法要の手配を背負い、途方に暮れてしまっているのです。
2. 一つにまとめる場合でも避けて通れない「墓石の解体工事費用」
「3つあるお墓のご遺骨を、どれか1つのお墓(例えばご主人の家のお墓)にまとめて改葬すれば、新しい納骨堂や永代供養墓を買わずに済むのでは?」とお考えになる方もいらっしゃいます。
たしかに、既存のお墓へご遺骨を移す(集約する)ことで、新たな納骨先を購入するための永代供養料や取得費用は抑えることができます。
しかし、どれだけご遺骨を1箇所にまとめたとしても、役目を終えた2つのお墓を更地に戻す「墓石の解体・撤去工事費用」は絶対に避けて通ることができません。
- お墓がある場所(山奥、階段の上、狭い墓地)による搬出の手間
- 使用している石の量や外柵の大きさ
お墓の数が2つ、3つと増えれば、それだけ解体撤去にかかる工事費用も比例して膨らみます。
「まとめて整理したい」と願っても、一度に数十万円規模の工事費用が発生することがネックとなり、なかなか踏み切れないという現実的な壁が存在します。

3. 「多死社会」と「少子化」の波がお墓に押し寄せている
近年、日本は年間150万人以上が亡くなる「多死社会」を迎えていると報じられていますが、墓じまいの現場で痛感するのは「多死社会」以上に「少子化問題」の影が色濃く落ちているということです。
昭和の時代までは、兄弟姉妹が多く、誰かしら地元に残ってお墓を継承していくことが可能でした。
しかし、急激な少子化と都市部への人口流入によって、「お墓を継ぐ人(墓守)」そのものが途絶えてしまう構造が完成してしまったのです。
お墓を複数背負う女性たちの苦悩は、個人の家庭の問題ではなく、日本の人口動態の変化が生み出した構造的な社会的トラブルそのものと言えます。
だからこそ、「自分が元気なうちに綺麗に整理して、次の世代(自分の子供たち)にはこの重荷を背負わせたくない」というご相談者様の言葉には、時代の変化を鋭く捉えた強い決意が込められています。
最後に:背負い込んだ重荷を、現場と法務の力で解き解きほぐす
自分一人ではどうにもならないほど膨らんでしまったお墓の悩み。
しかし、放置していても問題が解決することはありません。
むしろ時間が経つほど、自分自身が体力を失ったり、さらに費用が増大してしまいます。
大切なのは、ご先祖様への感謝の気持ちを持ちながら、「これからの時代に合った持続可能な供養の形」へと、負担なく無理のない方法で再構築することです。
私は15年間の石材店経験で培った「複数箇所の墓地解体・更地化工事の正確な見積りと現場施工管理」と、行政書士としての「複数のお墓にまたがる複雑な改葬手続き・法務ノウハウ」を備えています。
「複数の家のお墓を管理していて限界を感じている」「実家のお墓をたたんで、どこか一つにまとめたいけれど手順が分からない」という方は、どうぞ一人で抱え込まずにご相談ください。
あなたとご家族が背負ってきた重荷を丁寧に解きほぐし、ご先祖様も納得できる「安心の未来」を、最後まで誠実にサポートいたします。
~ 遠くの「心配」より近くの「再会」 ~