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行政書士事務所

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役所の手続きはなぜ必要か

2026.05.25

「お墓の引越し(改葬)」をいざ進めようとすると、必ずぶつかるのが「改葬許可証(かいそうきょかしょう)」という書類の壁です。

「自分のお金で建てたお墓から、身内のお骨を取り出すだけなのに、なぜ役所の許可が必要なの?」 そんな風に、手続きの多さを負担に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、この「許可証」には、日本という国が大切にしている「故人の尊厳を守るためのルール」が詰まっています。

今回は、なぜ改葬許可証が必要なのか、その根拠となる法律のお話を、石材店での現場経験を交えて分かりやすくお伝えします。

1. 法律で決まっている「お墓のルール」

お墓や遺骨の扱いについては、「墓地、埋葬等に関する法律」(略して「墓地埋葬法」)という法律で厳しく定められています。(出典:e-Gov法令検索『墓地、埋葬等に関する法律』)

まず知っておいていただきたいのが「第五条一項」です。

ここには、「埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、 (中略) 市町村長の許可を受けなければならない。」とはっきり記されています。つまり、遺骨を動かすことは、個人の自由ではなく「行政の許可が必要な公的な手続き」なのです。

この手続きを経て、役所から正式に発行されるのが、「第八条」に定められた「改葬許可証」です。

2. なぜ「許可」が必要なのか?——遺骨は語らないから

ここで一つ、想像してみてください。 もし、この世に改葬許可証というルールがなかったらどうなるでしょうか。

お墓から取り出された「遺骨」そのものには、お名前が書いてあるわけではありません。

一度お墓の外に出てしまえば、「その遺骨がどこの誰なのか」を証明する手段がなくなってしまうのです。

これは、事件に巻き込まれた遺骨ではないか? どこかから勝手に持ち出されたものではないか?

そうした混乱を防ぎ、ご先祖様が間違いなく「その人」として新しい場所へ落ち着けるように、行政が責任を持って証明書を発行するのです。

3. 「第十四条」——新しい場所の門番

せっかく遺骨を新しい引越し先へ運んでも、この許可証がないと、寺院や霊園は受け入れてくれません。

それが法律の「第十四条」です。

墓地の管理者は、この「改葬許可証」を確認しなければ、遺骨を収めてはいけないと義務付けられています。

つまり、許可証はご先祖様にとっての「移動のためのパスポート」であり、新しい住まいへの「鍵」でもあるのです。

4. 現場を見てきたからこそ、お手伝いしたいこと

私は石材店で15年、工事の現場監督として、何百柱というお遺骨をお墓から取り出す瞬間に立ち会ってきました。

お墓を開ける(骨出しをする)その時、手元に「改葬許可証」があることで、ご家族も私たち業者も、そして何よりご先祖様も、安心して次の場所へ向かうことができます。

しかし、この書類を揃えるには、現在のお墓がある市町村の役所へ足を運び、さらにはお寺様からの証明をいただくといった手間がかかります。

特に遠方にお墓がある場合、その負担は計り知れません。

最後に:あなたとご先祖様の「安心」のために

「法律だからやらなければいけない」と思うと堅苦しいですが、「ご先祖様の身分を証明し、迷子にならないように守るためのもの」と考えれば、その大切さが伝わるのではないでしょうか。

私は行政書士として、この複雑な法律の壁を、お客様に代わって乗り越えます。

現場を知るプロとして遺骨を大切に扱い、法務のプロとして正しく手続きを進める。

これからも安心してお墓参りができるように。

~ 遠くの「心配」より近くの「再会」 ~