その「墓じまい」、ちょっと待って! 意外と知らない「お墓の名義人」と「承諾書」の落とし穴
「実家のお墓をそろそろ閉じたいけれど、何から手を付ければいいのだろう」 「今の住まいの近くに、お墓を引越し(改葬)させたい」
そう思い立って手続きを調べ始めたとき、多くの方が最初に直面するのが「お墓の名義(使用者)」の問題です。
コストや新しい納骨先選びに目を奪われがちですが、実は行政手続きをスムーズに進める上で、ここが非常に重要なポイントになります。
今回は、15年間の石材店経験で数々の現場に立ち会い、現在は行政書士として法的な手続きも専門に行っている私から、墓じまいを意識し始めたら絶対に確認しておきたい「名義人と承諾書」の仕組みについてお話しします。
1. 申請は名義人でなくてもOK!ただし「承諾書」という壁がある
よく「お墓の名義人じゃないと、役所に改葬の申請ができないのでは?」と誤解されがちですが、結論から言うと、名義人本人でなくても申請は可能です。
法律上の申請者は「改葬を行おうとする者」とされているため、例えば「お墓の名義(使用者)は叔父になっているけれど、実際の申請は甥である本人が行う」ということは全く問題ありません。
ただし、名義人以外の人が申請者になる場合、役所から必ず提出を求められる重要な書類があります。
それが「墓地使用者の承諾書(改葬承諾書)」です。
「名義人である叔父が、本人が申請して墓じまいをすることに同意しています」という証明が必要になるのです。
そのため、名義が自分以外の人になっている場合は、まずその名義人に事情を話し、快く承諾書に署名・捺印をもらえる関係性を作っておくことが第一歩となります。
2. もしも「名義人がすでに亡くなっていたら」どうなる?
ここでさらにややこしくなるのが、登録されている名義人(祖父など)がすでに亡くなっているケースです。
お墓には不動産のような登記義務がないため、名義変更がされないまま昭和の時代の名義のまま放置されていることが珍しくありません。
名義人が亡くなっている場合、当然ながら「承諾書」を書いてもらうことはできません。
この場合は、いきなり墓じまいの申請をするのではなく、まずは霊園やお寺の規則に従って、お墓の跡継ぎ(祭祀承継者)を誰にするかを決め、名義変更の手続きを完了させるのが先決となります。
名義を一度クリアにしてからでなければ、役所の手続きもストップしてしまうのです。

最後に:戸籍集めから承諾書の準備まで、プロにお任せください
「お墓の名義が誰になっているか怪しい」「名義人の叔父は高齢だし、親族が遠方に散らばっていて話が進まない」
そうした状況で、古い契約書を引っ張り出したり、見慣れない戸籍謄本を何通も集めて親族関係を証明したりする作業は、一般の方にとっては膨大な時間と心理的ストレスがかかるものです。
私は石材店時代の15年間、名義や親族間の話し合いがこじれてしまい、なかなか前に進まない悲しい現場を何度も目にしてきました。
だからこそ、現在は行政書士という国家資格を持って、お客様の代わりに戸籍を調査し、法的に隙のない「承諾書」や「申述書」を作成して、役所やお寺との交渉をスムーズに進めるサポートをしています。
お墓の引越しや墓じまいは、ご先祖様の歴史を正しく紐解き、次の世代へ綺麗にバトンを渡すための大切な手続きです。
少しでも不安なことがあれば、どうぞ私たちを頼ってください。
現場のリアルな知見と法の専門知識をフルに活かし、誠実に一歩ずつサポートいたします。
~ 遠くの「心配」より近くの「再会」 ~