「火葬」「埋葬」「改葬」…似ていて紛らわしい!役所の書類をスッキリ整理
「お葬式やお墓の手続きって、どうしてこんなに似た名前の書類ばかりなの?」 墓じまいや改葬のご相談をお受けする中で、お客様からよくこのようなため息混じりの声を耳にします。
確かに、「火葬」「埋葬」「改葬」と、どれも「葬」の字がつき、パッと見ただけでは違いが分かりにくいですよね。
しかし、これらは大切なご先祖様のお遺骨を法的に正しく扱うための、非常に重要な書類です。
今回は、石材店での15年の現場経験と、行政書士としての法律の視点から、役所が交付する書類の役割を分かりやすく整理して解説します。
1. 亡くなったときからお墓に入るまでに関わる書類
まずは、大切な方が亡くなられた直後から、最初にお墓へ納骨するまでに登場する書類です。
- 火葬許可証(かそうきょかしょう):ご遺体を火葬するために必要な書類です。役所に死亡届を提出した際に交付されます。
- 埋葬許可証(まいそうきょかしょう):遺体や遺骨をお墓に埋葬するために必要な書類です。
(出典:e-Gov法令検索『墓地、埋葬等に関する法律』 第五条 第八条)
実は現代の多くの自治体では、これらが別々に発行されることは少なく、「埋火葬許可証(まいかそうきょかしょう)」という一枚の書類にまとめられていることがほとんどです。
火葬を行う前に役所から渡され、火葬が終わると火葬場から「火葬済」のスタンプが押されて戻ってきます。これがそのまま、お墓に納めるための「埋葬許可証」の役割を果たします。
2. お墓を引っ越しさせるときに必要な書類
すでにどこかのお墓に納められているお遺骨を、新しい樹木葬や納骨堂などに移動させる(墓じまいをする)ときに必要となるのが、次の書類です。
- 改葬許可証(かいそうきょかしょう):「お墓の引越し(改葬)」を公的に認める書類です。現在のお墓がある市区町村の役所に申請して交付してもらいます。
(出典:e-Gov法令検索『墓地、埋葬等に関する法律施行規則』 第二条)
これら「埋火葬許可証」や「改葬許可証」といった書類は、手元にずっと持っておくものではありません。お骨を納める(または取り出す)際に、必ず墓地や霊園の管理者へ提出する必要があります。これがないと、管理者は法的にお骨を受け入れることができません。

3. 知っておきたい盲点:「分骨証明書」は役所じゃない?
ここで、実務の中で非常に誤解される「プロの豆知識」をお伝えします。
ご兄弟で遺骨を分け合ったり、一部を手元供養にしたりするために、お骨を複数に分けることを「分骨(ぶんこつ)」と言います。
このときに必要なのが「分骨証明書」です。
名前に「証明書」とつくため、これも役所でもらうものと思われがちですが、実は役所ではなく、お骨が「今ある場所」の管理者が交付するものなのです。
- 火葬した直後に分ける場合:火葬場が発行します。
- すでにお墓にあるお骨を分ける場合:現在納められている寺院や霊園(墓地管理者)が発行します。
(出典:e-Gov法令検索『墓地、埋葬等に関する法律施行規則』 第五条)
役所へ行って「分骨証明書をください」と言っても、窓口で断られてしまうので注意が必要です。
最後に:複雑な書類手続きは、丸ごとプロにお任せを
いかがでしたでしょうか。文字で見ると複雑に思える手続きですが、それぞれの書類が持つ「役割」と「提出先」を知ることで、終活の霧が少し晴れてくるかと思います。
とは言え、特に「改葬許可証」をもらうためには、現在のお墓の管理者の証明をもらったり、複数の書類を揃えたりと、慣れない方にとっては時間も労力もかかる作業です。
私は石材店時代、これらの書類が揃わずに納骨法要が延期になってしまうトラブルも見てきました。だからこそ、今は行政書士という国家資格を持ち、お客様の「代理人」として、これらすべての書類集めや申請を代行しています。
~ 遠くの「心配」より近くの「再会」 ~