「増やす」から「予防する」へ。これからの墓地管理者に求められる新時代の役割
「以前に比べて、お墓の管理料の未納が増えてきた」 「檀家の高齢化が進み、この先お墓がどうなってしまうのか不安だ」
今、寺院の御住職や霊園の管理者様とお話ししていると、このような切実な声を頻繁に耳にします。
人口減少や核家族化が進む現代、お墓を維持・管理する側の環境は今、歴史的な転換期を迎えています。
石材店で15年、数々の墓石の建之や解体を見つめ、現在は行政書士として法的なアプローチから墓地の管理・再生を行っている視点から、これからの墓地管理者が取り組むべき未来の一手についてお話しします。
1. 時代とともに変わる、墓地管理者の命題
日本の墓地管理を巡る目的は、時代とともに大きくシフトしてきました。
- 以前(昭和〜平成初期):「増やす」時代
かつては、新しい利用者や檀家、信徒をいかに増やしていくかが管理者の中心的なテーマでした。お墓を建てることがステータスであり、区画を作れば埋まる時代でした。
- 現在(平成後期〜令和現在):「食い止める」時代
現在は、いわゆる寺離れや墓じまいの急増をいかに少なくし、現状を維持するかに尽力する管理者が増えています。離れていく利用者をどう引き止めるかという、守りのフェーズです。
- この先(未来):「予防する」時代
そしてこれから迎える未来、管理者の最重要課題は、無縁墓や使用者不明者をこれ以上増やさないことに変わります。連絡が取れなくなってから慌てるのではなく、そうなる前に「現状を正確に把握し、事前に手を打っておく」という超先手のアプローチが不可欠になるのです。
2. 無縁墓を防ぐために、今管理者ができる具体的なアプローチ
では、未来に向けて管理者はどのような対策を講じるべきでしょうか。
鍵となるのは「利用者に寄り添う姿勢」と「仕組みづくり」です。
ファーストステップとして重要なのは、無理のない承継(引き継ぎ)の進め方を提案すること、そして丁寧な墓じまいの相談に快く乗ることです。
「墓じまいをしたい」と言われたときに拒むのではなく、むしろ管理者が窓口となって「それなら、当園(当寺)の合祀墓(永代供養墓)へ移されませんか」と、敷地内での合祀墓の選択肢を提案するのです。
これにより、利用者は「ご先祖様を遠くへ移す罪悪感」から解放され、管理者側もお骨を他所へ流出させずに、永代供養という形で関係性を維持できます。
同時に、役割を終えた墓石の片付け(更地化)、次の世代へ区画を再提供する「墓地の健全な循環と再生」を生み出すことが可能になります。

最後に:管理者の孤独な戦いを、実務と法務の力で支えます
これからの墓地管理は、ただ施設を維持するだけでなく、利用者の「終活のパートナー」としての役割が求められます。
しかし、日々の業務の中で、未納者の連絡先を追跡したり、古い墓地使用規則を見直したりするのは、時間的にも専門知識の面でも大きな負担のはずです。
私は石材店での15年間、寺院の区画整理や解体の現場を数多く指揮してきました。
そして現在は行政書士として、名義人の所在や戸籍調査、墓地使用規則の改定サポートを行っています。
「連絡が取れない区画をどうにかしたい」「未来に向けてお寺の基盤を整えたい」 そんなお悩みがあれば、ぜひ私たちを頼ってください。
~ 遠くの「心配」より近くの「再会」 ~