墓じまい改葬専門
行政書士事務所

ホーム 個人の方へ 墓地管理者・法人の方へ 選ばれる理由 事務所案内 TOPICS COLUMN よくあるご質問 お問合せ/無料問合せ

「土葬」は復活するのか?政治的議論と99%超の火葬率から見る日本の埋葬のリアル

2026.09.19

「日本でも土葬が再び増える時代が来るのだろうか?」

「土葬されている昔のお墓を墓じまいする場合、どうすればいいの?」

最近、多様性や宗教的な配慮、あるいは政治的な議論の文脈で「土葬(どそう)」に関する話題を耳にすることが増えてきました。

実はおよそ100年前の昭和初期まで、日本の多くの地域では土葬がごく一般的でした。

しかし現代の日本では、火葬が圧倒的な主流となっています。

今回は、15年間の石材店現場経験(営業・施工監督)を経て行政書士となった私の目線から、日本の土葬の歴史と現状、土葬のお墓を墓じまい・改葬する際の注意点、そして今後の未来について分かりやすく解説します。

1. 100年前は当たり前だった?「墓埋法」と99%を超える火葬率のリアル

現在の日本では「お墓=焼骨(火葬された骨)を納める場所」というイメージが定着していますが、歴史を振り返ると日本の埋葬文化は大きく異なります。

明治時代や大正時代、昭和の初期頃までは、全国の多くの農村や山村で土葬が行われていました。

現在も適用されている「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」の正式名称に「埋葬(=土葬)」の文字が含まれているのは、法律が制定された昭和23年(1948年)当時、土葬がまだ一般的な選択肢の一つだったことの名残です。

しかし、高度経済成長期を経て公衆衛生の観点や都市部の土地不足、火葬場の整備が進んだことにより、日本の火葬率は急速に上昇しました。

厚生労働省の統計によると、現在の日本の火葬率は「99.9%以上」に達しており、世界的に見ても極めて高い火葬率を誇る「完全火葬国家」となっています。

そのため、現代のほぼすべての霊園やお寺の墓地管理規約では「焼骨(火葬されたお骨)のみ受け入れる」と規定されており、物理的にも制度的にも土葬を行える場所は極めて限定されています。

(出典:e-Gov法令検索『墓地、埋葬等に関する法律』)

2. 土葬ができる地域と「土葬されたお墓」の改葬(墓じまい)の難しさ

現在、日本国内で土葬を行うことが法的に可能なのは、都道府県や市区町村の条例・政令によって制限されていない「一部の地域や限定された専用墓地」に限られています。

現場の施工監督や行政書士として特に注意が必要だと感じているのが、「昔、土葬された古いお墓の墓じまい(改葬)」です。

古い山あいの墓地や先祖代々の墓地を墓じまいする際、地面を掘り起こすと土葬されたご遺骨が出てくることがあります。

この場合、通常の「火葬されたお骨」を移送する手続きとは異なり、以下のような特別な対応が必要になります。

  • 再火葬(再焼骨)の手配:土葬のままでは新しい納骨堂や合祀墓、現代の霊園へ移送・納骨することが原則できません。一度、地元の火葬場で「再火葬」を行い、焼骨にしてから移動させる必要があります。
  • 行政手続きの複雑さ:役所への改葬許可申請時に「土葬のご遺骨であること」を事前申告し、火葬場の予約や特別な許可を取り付ける必要があります。
  • 現場作業の専門性:土葬の掘り起こし(洗骨作業など)は、専門の知識と衛生管理、そして深い尊厳を持った丁寧な現場作業が求められます。

「掘ってみたら土葬だった」と現場で慌てないためにも、古いお墓の解体前には事前調査と行政手続きの綿密なプランニングが欠かせません。

3. 多様化の時代、土葬は今後広がっていくのか?

在留外国人の増加や宗教的背景の多様化、あるいはグローバルな視点から「土葬の選択肢を増やすべきではないか」という政治的・社会的な議論がなされることがあります。

土葬を宗教的義務とするイスラム教徒(ムスリム)の方々などからは、土葬可能な墓地の確保を求める声も上がっています。

では、今後日本で土葬が再び広がっていくのでしょうか。

私自身の現場感覚と法務の知見から考えると、日本全体で土葬が急速に一般化・拡大することは極めて難しいと考えられます。

その最大の理由は、「公衆衛生上の観点」と「近隣住民の感情・理解(感情的ハードル)」、そして「深刻な土地不足」です。

新たに土葬墓地を開設しようとすると、周辺の環境整備や風評被害への懸念から地域住民の同意を得ることが難しく、自治体としても判断が非常にデリケートになります。

多様性への配慮と、日本の風土や公衆衛生・地域住民の安心とのバランスをどう取っていくのか。

これは今後の時代に向けた大きな課題と言えます。

最後に:どんな埋葬形態であっても、確実な手続きと供養をサポートします

時代の変化とともに、供養のあり方や埋葬に対する議論は移り変わっていきます。

しかし、「先祖や故人を心を込めて供養し、遺された家族が安心できる形を整える」という本質は変わりません。

私は、15年間の石材店経験で培った「土葬の掘り起こしや現場解体のリアルな知見」と、行政書士としての「難解な改葬手続きをクリアする法務の力」を備えています。

「実家の古いお墓を掘ったら土葬かもしれない」「再火葬の手続きや改葬の進め方が分からなくて不安だ」という方は、どうぞ一人で悩まずにご相談ください。

どんなに複雑な現場であっても、ご先祖様への尊厳を守り、あなたが安心して次のステップへ進めるよう、最後まで誠実にサポートいたします。

~ 遠くの「心配」より近くの「再会」 ~